AirCraft
昔話をする。
インターネット時代の幕がまだ空いてなかった時代に僕はネットと出会った。
パソコン通信時代の最大手NIfty-Serveである。
当時、入社したてにしては大盤振る舞いのボーナスをどかんと貰い、PC-9801FAっていうパソコンと諸々一式の中に1200bpsのモデムと、市販の通信ソフトもあった。
確かそのセットの中にNIftyの入会案内もあったように記憶する。
ピーピーガーガーッってダイヤルアップ接続すると、だらだらだらーっと下から上にテキスト文字列がスクロールされていった。
1200bpsくいらいだと、文字列受信速度に従って読んでてもゆっくりしたものだった。
ただ当時は今みたいに定額制なんてことはなくて、接続時間に応じた電話料金そのものだったから(デジタル信号じゃないよアナログ信号だよ)、接続し続けてたらクソ高い料金を請求されてしまう羽目になる。
深夜時間帯で定額になるテレホーダイなんてなサービスもあったけど、僕はもっぱらオートパイロット、つまり事前に読みたい箇所だけ指定しておいてプログラムでダウンロードしてしまい、回線切ってオフラインで読む、みたいな使い方してたな。中でもAirCraftってソフトは凄かった。GUIなんてのがなかった時代に思想自体は既にマルチウィンドウだったし、とにかく設定さえしてやればあとはほんとにオートパイロット、パソコン通信をあんなに楽にしたソフトもなかったんじゃないだろうか。
Niftyで最初に入ったフォーラム、要するに趣味の合う者同士の部屋みたいなもんだけど、確かソフトウェアの初心者向けフォーラムだった気がする。
たわいも無い話しばっかしてたのかなぁ、内容はあんまりよく覚えてないけど、そこの連中とオフ会とかよくしてたなぁ。みんな遠く離れてるのによく集まったものだなぁと思う。
僕自身はとある個人的な大事件のため、ある時期を境にそのフォーラムにはいかなくなって、FSHISOなんていうとんでもない罵詈雑言誹謗中傷の跋扈するフォーラムに出入りするようになった。哲学と思想のフォーラムで、とにかく自己主張をまるで譲りそうもない連中ばかりで、名誉毀損とかで裁判してたりね。
僕も結構議論に加わったりもしてたけど、そのうちだんだんしんどくなってきて眺めるだけーみたいなになってった。
そうこうしてるうちに、インターネットの方が賑やかになってきて、Windows95が出始めた頃からかなぁ、2ちゃんねるの方へ興味は移ってったって感じかなぁ。
なんでこんな話ダラダラしたかというと、ふとね、誰かこんな話を懐かしくできる人いないかなぁと思ってさ。
いないかなぁ…。