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南京事件をなかったという人達

【維新】 中山成彬衆院議員「南京事件はなかった」 1次資料に当たり、生き残りの人に会い、結論を出す

南京事件の議論はそれはもう古い。本多勝一vs山本七平の時代から言えばもう40年以上になる。僕が知ってるのは、Niftyのパソコン通信時代からで確か1990年代くらいからだろうか。僕が議論に加担してたのは10年くらい前、2ちゃんねる上でだった。確か、小林よしのりが『戦争論』で東中野修道や田中正明の論を使用して否定論を振りまいた時期くらいだったと思う。
 
それらの否定的議論が、資料の恣意的引用やトリミング、果ては資料の改竄に至るまで様々なトリックを使ったものであることはその筋では有名な南京事件 小さな資料集で仔細に分析論破されているところなのだけども、こうして徹底的に詳しく批判されても否定派がたじろいだ事は多分一度もない。彼らと議論してみると、その攻撃力の源泉は一体どこにあるのかと思うほどタフである。
 
南京事件はその論争の歴史の成果として、かなり豊富な証拠資料が整備されている。左派からは主に諸外国側からの資料と中国の資料でまとめられた『南京事件資料集』、右派からは日本軍側からの資料でまとめられた『南京戦史・南京戦史資料集』というものが代表的である。他にも在留外国人の記録や裁判資料、日本軍人による当時の日記など一次資料の宝庫といってもいいくらいだ。それらを付き合わせていけば、規模の点では疑問はあれど、それ相当に酷いことを日本軍がやったことはほぼ確実であることは分かるはずである。
 
にも関わらず、国会議員のこんな人でも「なかった」なんてことを言う。いや、国会議員の人が否定論に与することは別に珍しくもないことで、中には俗に言う「百人斬り裁判」に原告を弁護し、ボロ負け(百人斬り競争 - Wikipedia)した稲田朋美なんていう議員もいたりする。国会議員の全部がそうではないとは思うけども、社民党共産党を除けば、与党野党問わず否定派はかなりいる。
 
しかも、ほぼ断定的に「なかった論」を声高に叫ぶため、事情を知らない人はおそらく大半が南京事件はほんとはなかった、と思うのではないだろうか。以前、「たかじんのそこまで言って委員会」というテレビ番組を見てたら、否定派の東中野修道を解説者として登場させていて、ひな壇の論者達は一人を除いて全員その否定論に疑問を持ってなかった。その一人は田島陽子であるが、それはともかく若干程度の事情を知ってるであろう論者達でさえもあんな感じだから、否定派にとっては素人を騙す程度容易いことなのかもしれない。