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思いつくままに書きたいことを書き連ねる為のブログ。

生活保護への誤解について。

以下の記事。

togetter.com

 

この記事に以下の様なブクマコメントを書いた。

 

生活保護は「不正受給する人のせいで必要な人に行き渡らない」のか? - Togetterまとめ

本当に必要な人に生活保護を行き渡らせることと、不正受給の摘発と、生活保護受給者を減らす事は独立した問題。この三つを混同させる人があまりに多いのに愕然とする。

2015/11/21 12:27

 

そしたら、コメントに付いたスターがものすごく久しぶりにトップになったので小嬉しくなり、久しぶりにこのブログに記事を書こうと思った次第。もちろんテーマは生活保護

 

つったって、別にいろいろ調べたわけではないし、素人的に興味があるだけで全く詳しくない。付け焼刃的に調べたところで詳しい人には到底敵わないだろうから、自分で思っているだけのことを述べるしかない。

 

さて、ブクマコメントは字数制限があり、その短い字数で如何にうまく書くかが問われる(誰が?)。ここがTwitterと違うところ。Twitterは一回のツイートに字数制限はあるが、 何回でも書ける。ブクマコメントは後で編集できるものの、見えるのは1記事につき一人一個に限られる。だから、その字数制限の中で書いたコメントにたくさんスターがつくとやっぱり嬉しいものなのだ。だけど、それはそれとして、それで言いたいことの全てかと言うと、そうでない場合も多い。

 

生活保護についてのコメントでは、分かる人は分かるだろうけど、しかし、わからない人も当然いるに違いない。「本当に必要な人に生活保護を行き渡らせることと、不正受給の摘発と、生活保護受給者を減らす事は独立した問題」であることが分からないから要するに変なヘイト的意見がネットや世間に蔓延っているのではないか。

 

これはしかし、以下の様な図をイメージすると簡単にわかる。

 

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割合というか面積はテキトーだ。ただ、大きさの順番で言うと合ってる筈。ちなみに、

生活保護と不正受給についての基本的な事実 - ねぼけログ

によれば、捕捉率((B-C)÷A☓100)は20%であり、不正受給者が生活保護受給者に占める割合((C÷B☓100))は0.4%だそうだ。

 

さて、ヘイト的意見「不正受給者を減らせばほんとうに必要な人に生活保護が回る」について考えてみよう。これが間違いであることは上の図からも明らかである。Cを減らしたってCはそもそもAには含まれていない。彼らの誤解は、Bの円をAの中に入れてCを消せ、というものである。つまり上の図が以下のようになると思ってる。

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このように、Cがなくなった分、本当に必要な人全てには行き渡らないものの(※そもそもたった0.4%なのだけどそれは無視)、Cだった分だけは行き渡るであろうはずだというのである。だがそれは誤りなのだ。

 

Cを具体的に減らすにはどうすればいいだろうか。それには代表的に次の2つになるであろう。

①徹底的な取り締まり摘発

②役所での審査をもっと厳格にする

の2つである。しかし①の場合はCだった部分がなくなるだけである。従って、Aに含まれていたBの面積は全く変わらない。不正受給を取り締まっても、そこがなくなるだけで捕捉率は全く不変となる。いやいや、その分生活保護予算費が浮くから、という意見があるだろうが、もっと捕捉しようとしない限り、浮いた分は本当に必要な人には回らない。

 

②の場合はどうだろうか。これによって、水際で不正受給者をなくすというわけだが、そうすると、審査が厳しくなった分、むしろ捕捉率は減ってしまう。つまり、以下のようにBの面積が減ってしまうのである。それもCが減ったよりもさらに減る。

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つまり、①の場合と同様に捕捉率そのものを上げる努力をしない限り、本当に必要な人に生活保護費は行き渡る方向へは向かわないのである。さらに言うと、予算が浮くということは、役所的に考えると次年度予算が減るということを意味するだろう。国家予算や自治体予算が浮いた場合に実際にどうなるかはよく知らないが、一般的な考え方で言うと、使われた実際の費用が予算額を下回ると、次年度予算はその実際の費用をベースに算定するのが普通なので、そう仮定する限りそうなってしまう。

 

 従って、いくら不正受給者を減らしても、本当に必要な人は全く報われるどころか、状況は却って酷くなってしまうのである。だからこそ、不正受給者を摘発することとほんとうに必要な人に行き渡らせることは独立した問題ということになるわけだ。

 

では、「生活保護受給者に対する就労支援対策等を強化して生活保護総額を減らせ」というよくある意見はどうだろうか。ちなみに誤解のないように言っておくが、不正受給者の摘発強化や就労支援強化については肯定している。別の問題だと言いたいだけである。で、そうやって就労支援強化しても、上で示したBの面積が小さくなった図になるだけである。正確に言うとA全体の面積もその分減るが、A−B 、即ち補足されてなかった人は全く減らない。これは考えるまでもない当たり前の事実だ。 

 

非常に単純化したモデルであり、実際にはもっと色々と複雑なのであろうけども、そんなに間違ってはいないと思う。ともかくも、本当に必要な人に出来る限り生活保護を行き渡らせるように努め、不正受給を摘発し、就労支援対策等の強化で生活保護費の増大をなるべく減らすという代表的な3つの努力をそれぞれに独立して行っていくしかないのだ。捕捉率20%というデータは主要国の中では最低ランクだそうである。

 

貧困問題は、ヘイト的見解では何も解決されないどころか、状況を悪化させるだけである。以上。