1,300円で観たスターウォーズはスターウォーズではなかった。
え?なんで1,300円かって?
平日の客の少ない時の朝イチ特別料金だったからだよwww
この前映画館行ったのがマッドマックス怒りのデスロードだったから、三ヶ月ぶりくらいだろうかな。あれはわざわざ結構遠くのIMAX-3Dシアターまで行って2,000円て言う大枚叩いてでも観ないと損くらいの映画だったけど、今回は1,300円で十分だったかもしれない。
僕はかなりのおっさんだから、第一作目となる「エピソードⅣ新たなる希望」を公開時に映画館で観た人間である。それから第六作となる「エピソードⅢシスの復讐」まで全て映画館で観たんだけども、第七作目の「エピソード7フォースの覚醒」の初見での感想を一言で言うと・・・「やっぱルーカスに任せりゃよかったんじゃないの?」となるかな。
いや、多分、興行的にはルーカスに任せるべきではなかったろう。何せディズニーは40億ドル、日本円にしておよそ5,000億円もの巨額でルーカスフィルムを買収したからだ。ルーカスの提案した7作目のアイデアでは多分それでは旨味が少ないと判断したに違いない。ネズミキャラクターで著作権保護期間を延々延長し続けてでもがめつく儲け続けたいディズニーの判断だからそこは間違いなかろう。
でも、映画としてはこりゃ、スター・ウォーズの看板を汚してしまったと言わざるを得ないと思った。評価の芳しくないエピソードⅠ〜Ⅲですら看板を汚すまでには至っていなかったと思う。一体どこがどう違うかというと・・以下はネタバレになるので注意。
さっぱり「見どころ」がなかったのです。前6部作には全て見どころが備わっていました。て言うか見どころばっかしだったのです。上げるとキリがないので少しだけ列挙します。
エピソード4の見どころ
のっけから全て、という他ない。いきなりドカーンと帝国の戦艦スターデストロイヤーが現れるところから、それまでのどんなSF映画でも見たことがないクオリティの特撮の数々は言うまでもなく、ともかく全部が全部見どころでした。
エピソード5の見どころ
それまでの特撮技術では不可能と言われた雪原戦闘シーンの特撮。今なら苦もなくCGでパパっと出来ちゃいますが、当時はもちろんそんなのはなくて、フィルムを何枚も合成して編集していたのです。しかし背景が宇宙という漆黒なら簡単ですが、白はほんの僅かでもずれると合成がはっきりわかってしまいます。あと新キャラのヨーダとかダースベーダーがルークの親父だったと判明する有名なシーンとか見所満載でした。
エピソード6の見どころ
これはもうなんと言ったって冒頭のジャバ・ザ・ハットでしょう。レーア姫がセクシー姿だったりしてたのも見どころでしたね。エンドアの森でのスピーダーバイクによる超高速バトルとか、可愛い原住民イウォークとか、ルークvsベーダーによる親子対決の決着とか見どころてんこ盛りでした。
エピソード1の見どころ
それまでとは世界観がガラッと変わったのがまず全体的な見どころ。ポッドレースやダースモール、ドロイド軍団との戦闘シーンなど、作品のストーリーこそそんなに面白くなかったものの見どころはいっぱいありました。
エピソード2の見どころ
エピソード2の見どころとして推したいのは、小惑星帯でのジャンゴ・フェットとオビ・ワンの宇宙船バトル。多分あの宇宙船バトルは映画史に残るくらい素晴らしいと思う。他にもジェダイ騎士大集合して大バトル繰り広げたりドロイド軍とクローン軍による戦闘などもかなりの見どころだったかな。アナキンとパドメのラブシーンにはげんなりしたけどw
エピソード3の見どころ
冒頭の惑星上での宇宙船同士での戦闘シーンとか、溶岩流れまくりのところでのオビ・ワンとアナキンの師弟対決とか色々あります。
・・・みたいに、スター・ウォーズって毎作毎作、それまで見たことのないような見どころが絶対あったのですね。ところが今回は・・・
エピソード7の見どころ
もしかしてBB-8だけ?
みたいな。いやマジで、最初から最後までかつて見たことのあるシーンばかりで、これがスターウォーズ???と首をひねるばかりだったというか。
そりゃね、かつてのスター・ウォーズは今や神話であり、神聖であり、だからこそその世界観を壊したくないというのは分かる。エピソード6の30年後からだからかもしれんが、Ⅳ〜Ⅵっぽくしたいというのも分かる、あれの方がいいのは確かだし。マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、R2D2、C3POっていう元祖キャラを出してファンを喜ばせたいというのも分かる。
だがね、全然見所ないってどうなのよ??? あんなのぜーんぶⅣ〜Ⅵで見たものばっかじゃねーかよ!!!ストーリーには新規性の欠片も感じられないし、ダース・ベイダーの後を継ぐとか生意気なこと言ってる新キャラのカイロ・レンなんて、強くもなければ怖くもないし、あのベーダー卿のどこか得体の知れない感じの不気味さも全く無いつまんねーキャラクターだし。
これ、スターウォーズっぽく撮ってみたスターウォーズっぽい映画なだけであって、こんなのスターウォーズじゃありません。ネットでは駄作とかいう評価もちらほら見かけますが、駄作という評価すら僕にはあげられません。これはスターウォーズじゃないですから。
かつてルーカスは、要するに毎回毎回新しいことばっかり考えてスターウォーズ作ってきたのです。それはルーカス自身も言ってます。宇宙船一つ取っても毎回新しいデザインのを出してきたんです。かつて僕らがスターウォーズに熱狂したのは、毎回毎回出てくるルーカスの新しいアイデアでワクワクさせられたからです。今度は何が出てくるんだろう?って。はっきり言って、それがスターウォーズの魂なのです。
繰り返しますが、興行的にはこれでいいのでしょう。しかしこんな魂の抜けたスターウォーズなんて、がっかりしました。そういう意味でルーカスに任せるべきだったと思います。多分僕は8以降は観ないと思います。スターウォーズじゃないスターウォーズなんて見たいとは思いませんから。単体映画としては1,300円くらいの価値はあるとは思いますけどね。